川越特急の運用を終えた「川越アートトレイン」。森林公園の車庫に向けて、小川町と嵐山町を隔てる丘陵の峠へと勾配を上ります。

ギャラリー
天候
雨模様を行く50090系

アートトレインも同じ50090系ですが、こちらが通常塗色編成です。
車両
東京メトロ10000系

土休日の朝、わずかな本数だけ東京メトロや東急電鉄の車両が走りますが、それ以外は東武鉄道の車両のみが走る区間です。2023年3月のダイヤ改正から、日中の時間帯は4両編成の8000系によるワンマン運転となりました。
なお、川越アートトレインは2022年9月でラッピングが終了し、今は見ることができなくなってしまいました。
路線概況
地理
東京都豊島区の池袋駅から埼玉県大里郡寄居町の寄居駅までの75.0kmを結びます。武蔵野台地の北端を荒川に沿って進み、都会の街並みから郊外の住宅地を経て田園風景の中へと走りますが、終点近くとなると張り出した秩父山地の山裾を縫うように走り、変化に富んだ車窓を見せてくれます。
日中は森林公園、それ以外の時間は小川町で運行系統が分かれています。郊外方面は4両編成のワンマン列車が往復するローカル路線の雰囲気ですが、都心方面は10両編成の急行や準急が頻繁に発着する都市近郊路線です。和光市駅を経由して東京メトロ有楽町線・副都心線との直通運転が行われているため、東京都心だけでなく横浜方面へのアクセスも良好です。通勤需要に加え、「小江戸」で親しまれる川越への観光客輸送にも力を発揮しています。
池袋を出た列車は、低層の建物が立ち並ぶ中を急曲線と踏切で抜けていきます。成増で武蔵野台地の縁に出ると、東京メトロ有楽町線が合流。そこから川越までの間は、荒川の支流が「切った」いくつもの谷を盛土や切通を組み合わせて越えていきますが、直線の多い線形ゆえに列車は快走します。残念ながら「小江戸の街並み」は望めないものの、川越を過ぎると車窓には田園風景が目立ち始めます。入間川、越辺川、都幾川と渡り、検修区のある森林公園を経て線路は山間へ。単線となって峠を越えると、列車は「和紙の街」小川町に到着します。
撮影情報
日時・場所
2021年8月中旬の8時頃と12時頃に埼玉県比企郡小川町で撮影しました。
撮影した場所 (撮影地)
東武鉄道 東上本線 小川町→武蔵嵐山 間で並走する国道254号線旧道の、道の駅「おがわまち」近くの歩道上です。
36.05318103334028, 139.28025817770197
撮影後記
今回撮影したのは上り列車ですが、下り列車からするとちょうどこの辺りで視界が開け、街を一望しながら小川町駅へと滑り込んで行きます。車窓の変化に富み、東上線は好きな路線の一つですが、池袋からの長旅の最終盤に魅せてくれるこの区間の風景を、私はとても気に入っています。
ただ、車窓は良くとも列車を撮るとなると、空の高圧電線や手前の休耕地など、いくつか気になる点も残りました。