Winter-Twilight

東京に雪が降った翌々日。線路端に残る雪を前に、いつもと変わらず成田エクスプレスが出発の準備を整えます。

集落と川に挟まれ、S字にうねる線路。防風林の間を縫って、列車はまもなく金山駅へと到着します。

結氷したダム湖の傍を、単行の気動車が走ります。

湖を覆う氷と列車が捲き上げた雪煙を、夕陽が色染めます。

水の音だけが広がる静かな冬の早朝、始発列車の単行気動車が一瞬だけ静寂を裂きます。

発車するキハが吐き出す煙は一瞬で白く凍り、朝日が曙色に染め上げます。

出発する列車を見送るホームの上屋。冷え切っているはずのコンクリートですが、曲線美がなんだか温かさを感じさせてくれます。

曲線が美しい上屋の横に停まる、一日1本だけの普通列車。46分間の停車を終えて、まもなく列車が出発します。

冬の朝日が昇る福井の街へ、「しらさぎ」が舞い降ります。

北陸道をくぐり、交直セクションを片目で通過する列車たち。北陸の人流を支えた在来線特急が行き交う姿は、まもなく見納めです。