Winter-Daylight

暗い雲の下に微かに舞う雪。これからの荒天を予感させるなか、国鉄型の単行気動車は力強く直線を走り抜けて行きます。

荒波のオホーツク海を脇に、快速「しれとこ摩周」が走ります。

ラムサール条約湿地の湖を渡る列車。その向こう側にはオホーツク海が広がります。

トンネルの向こうに僅かに見える坑口は、在来線最長を誇る北陸トンネル。敦賀から13.87kmの暗闇を抜け、サンダーバードが北陸路を行きます。日本屈指の特急街道が迎える最後の冬です。

北陸トンネルの開業で切り替わった新線を、県道となった旧線跡から眺めます。この新線もまもなく第三セクターへと移管され、特急街道の賑わいは過去のものとなります。

12両編成の特急が弧を描き、堂々とカーブを行きます。

伯備線区間で大山の麓を過ぎた「やくも」は、山陰本線に入り、大山を背に西へと進みます。

木々と川は黒く、雪と空は白い。冬の只見川はモノクロの世界です。落ち着いたアイボリーとグリーンの車体、それと前照灯の光だけが、絶妙な加減で色彩を主張します。

相模湾の側をすり抜けて、列車は伊豆半島へと目指します。

トンネルとトンネルの間、只見川と木々に囲まれた少しの直線。晴天の下の雪積もる線路を、キハ40系がゆっくりと進みます。