夕暮れに沈んでいく青田を見下ろしながら、木々が覆う荒川の段丘崖へと列車が登っていきます。

ギャラリー
移ろい

路線概況
地理
東京都豊島区の池袋駅から埼玉県大里郡寄居町の寄居駅までの75.0kmを結びます。武蔵野台地の北端を荒川に沿って進み、都会の街並みから郊外の住宅地を経て田園風景の中へと走りますが、終点近くとなると張り出した秩父山地の山裾を縫うように走り、変化に富んだ車窓を見せてくれます。
日中は森林公園、それ以外の時間は小川町で運行系統が分かれており、都心方面は10両編成の急行や準急が頻繁に発着する都市近郊路線、郊外方面は4両編成のワンマン列車が往復するローカル路線と、雰囲気は大きく異なります。
森林公園を出た列車は、検修区脇を抜けて丘陵に囲まれた台地上を進みます。武蔵嵐山の先から単線となる線路は比企丘陵へと入り、小川町を経て山間の小集落を縫っていきます。池袋を出てから一度も渡らずに並走してきた荒川を、最後に鉄橋でひとまたぎして終点へ。寄居でJR八高線や秩父鉄道と顔を合わせます。
車両
東上本線のこの区間は、4両編成の8000系が活躍しています。写真の標準色の他にも、オレンジツートンやぶどう色1号塗装の編成も運用に入ることがあります。
撮影情報
日時・場所
2023年8月中旬の19時頃に埼玉県大里郡寄居町で撮影しました。
撮影した場所 (撮影地)
東武鉄道 東上本線 鉢形→男衾 間で、県道81号線から小園の集落へと坂を下ったところに広がる田んぼの中の道路上です。
36.11394965070305, 139.22849527733436
撮影後記
上下合わせて1時間に6本ほどの列車が通りますが、夕焼け空の色合いと写真が撮れる明るさとのバランスに悩みながら撮影に向かったことを覚えています。
暗くなってからも画角や構図の微調整を続けたのですがこれは失敗で、暗くなってAFは効かずMFで合焦させようにもノイズがひどく、だいぶ神経を擦り減らす結果となりました。薄暮の撮影は、明るいうちに構図もピントも固定しておくべき、と学んだ撮影でした。