関東平野と秩父山地をつなぐ寄居の街。流れる荒川へと合流する小さな河川の脇を、古豪の電車が走ります。

路線概況
地理
東京都豊島区の池袋駅から埼玉県大里郡寄居町の寄居駅までの75.0kmを結びます。武蔵野台地の北端を荒川に沿って進み、都会の街並みから郊外の住宅地を経て田園風景の中へと走りますが、終点近くとなると張り出した秩父山地の山裾を縫うように走り、変化に富んだ車窓を見せてくれます。
日中は森林公園、それ以外の時間は小川町で運行系統が分かれており、都心方面は10両編成の急行や準急が頻繁に発着する都市近郊路線、郊外方面は4両編成のワンマン列車が往復するローカル路線と、雰囲気は大きく異なります。
森林公園を出た列車は、検修区脇を抜けて丘陵に囲まれた台地上を進みます。武蔵嵐山の先から単線となる線路は比企丘陵へと入り、小川町を経て山間の小集落を縫っていきます。池袋を出てから一度も渡らずに並走してきた荒川を、最後に鉄橋でひとまたぎして終点へ。寄居でJR八高線や秩父鉄道と顔を合わせます。
車両
東上本線のこの区間は、4両編成の8000系が活躍しています。写真の標準色の他にも、セイジクリームやオレンジツートンの編成も運用に入ることがあります。
運よくヘッドマーク付きの車両を撮影することができました。
撮影情報
日時・場所
2025年4月中旬の11時頃に埼玉県大里郡寄居町で撮影しました。
撮影した場所 (撮影地)
東武鉄道 東上本線 寄居→玉淀 間で県道296号線と交差する「東349号踏切道」のすぐ脇です。
36.11753719794907, 139.19969042378278
撮影地よもやま話
写っているこの川ですが、寄居町内の「大正池」上部を起点として玉淀駅の先で荒川に合流する「天沼川」という川のようです。撮影場所とした橋の名前は確認できず、上流部では暗渠となる箇所もあるなど、なかなか地味な存在かもしれません。それでも、河川に張り出す木々や擁壁に付いた苔たちの緑の美しさは、とても心奪われるものでした。
撮影後記
改めて2023年7月のGoogleストリートビューを見ると、木々が鬱蒼と繁り見通しが効かない様子でしたが、剪定が行われたのでしょうか。そのおかげで、新緑の鮮やかな川縁を走る鉄道風景に出会うことができました。